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工藤教授から皆さまへ

大腸癌は早期に発見すれば開腹手術をしないで、内視鏡による治療でほとんどの場合治療できます。下のコラム『大腸癌について』で述べていますように、何か心配事があったら、まず医療機関での受診をお勧めします。

 私は昭和48年に新潟大学医学部を卒業してから、消化器疾患なかでも最近死亡者数の最も多い大腸癌の診断と治療に一貫して取り組んできました。私の方法は最新の内視鏡を用いて正確な診断と内視鏡を用いた治療を行うもので、最先端・安全・無痛を特徴としています。私の開発した診断法・治療法によって国内では約20万人の人が私の検査を受けています。この方法は海外でも大変評判がよく、これまで世界60ヵ国、約250回の講演と実技指導(ライブデモンストレーション)を行ってきました。

 私の指導を受けるため、秋田赤十字病院に在職していたときは国内・国外から700名の医師が、また現在私が教授を務めている昭和大学横浜市北部病院では12年間で約500名の医師が海外から研修に来ました。短期間でも私の手技を学びたい、見学したいという医師を含めれば通算1000名をくだりません。世界各地に戻って行った私の弟子たちは、私が書いた英文書籍なども使って現在活躍中です。

 私はこの秋田、日本だけではなく、世界的にも大腸癌撲滅の先頭に立って診療を進めています。経産省なども私の考えに共鳴してくれ、現地政府や現地の大学病院とも協力して私が指導する機会が多くなった昨今です。昨年末も英国、アブダビ、サウジアラビアそれにロシアで講演と実技指導を行ってまいりました。工藤クリニック1.pngこれらの国々の国情や大腸癌診断や治療の状況など、今後このホームページでご紹介できれば幸いです。また、私の診断法や治療法や新しく私が開発した内視鏡器械などを皆さまに知って頂けるよう、折にふれて解説していくつもりです。

写真は昨年11月招待講演のために訪れたアブダビの国際会議場で撮影したもの。右から2番目が工藤教授。

大腸癌について

大腸癌は近年増加している癌で、秋田県においては、死亡率が全国第2位となっています。今回は、この大腸癌についてご説明いたします。

 大腸癌は、大腸に発生する悪性腫瘍で、直腸癌と結腸癌に分けられます。成因は腺腫(ポリープ)が大部分で、その他、正常の粘膜が直接癌化するdenovo 癌、家族性大腸ポリーポーシス、慢性潰瘍性大腸炎などがあります。

 大腸癌の発生は大腸下部のS状結腸と直腸に多く、過半数はここに発生します。大腸癌の初期は自覚症状がほとんどありませんが、進行すると血便、下痢、便秘、腹痛、貧血、便が細くなる、シコリ(腫瘤)などの症状が現れてきます。工藤クリニック4.png   大腸癌つまり、自覚症状のない早期癌の診断が大切になります。

 検査には、(免疫学的)便潜血反応が用いられています。市町村や事業所などの「大腸がん検診」でも便潜血反応は広く用られ有効性が証明されています。

 次に治療ですが、粘膜内癌は内視鏡的治療を、リンパ節転移が疑われるものについては外科手術でリンパ節郭清(かくせい)をするのが原則です。遠隔転移は、肝臓や肺への転移が多いです。治療後5年生存率は、粘膜内癌では、95%、病期(ステージ)Ⅰで90%、病期Ⅱで81%、病期Ⅲ66%ですが、肝臓や肺などへの遠隔転移のある病期では、14%になります。したがって、病期ⅢとⅣについては、リンパ節郭清と腸の切除に加え、化学療法、放射線治療などを併用して根治率を上げる方法が進んでいます。

~何か心配事がありましたら、まず医療機関へご相談を!
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昨年1月、秋田県教育委員会が推進している「県高校生未来創造支援事業-メディカルキャンプ」に秋田県の高校生11名が昭和大学横浜市北部病院消化器センターを訪れました。

 メディカルキャンプでは、工藤教授が行う大腸内視鏡検査を見学し、同大学の若手医師による講義や手術の見学の他、内視鏡を実際に手にし、体験する時間も設けられました。

 参加した高校生は、「医師を目指すという意識がより明確になった」と感想を述べています。今回参加した高校生が、将来立派な医師となって、秋田の医療を支えてくれることを祈っています。


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大腸モデルを使った内視鏡の体験風景